2023/04/02

サクラとは、日本の心の花。そして「お花見文化」を生んだ

春の訪れとともに満開に色づき、そして潔く散りゆく花。
この記事では、日本人が愛してやまない桜(サクラ)について、解説します。

日本列島には、古くから自生する基本の桜が9?11種あり、いずれも美しい花を咲かせてくれます。
また「お花見」の文化は、幕末に生まれたソメイヨシノの普及も手伝って全国に定着しています。

日本を代表する桜の名所についても詳しくご紹介します。
サクラとは何か?
それを知るには、この花がもたらした、「お花見」という日本の人ならではの文化について知ることも必要です。

サクラとは?
春告げるバラ科の樹木

「サクラ(桜)」は、バラ科サクラ属に分類される落葉樹の植物です。
分類法の違いによってスモモ属に分けられることもあります。
その分布は北半球の温帯地域の全域にわたりますが、観賞の対象となる美しい桜色の花を咲かせるのは主に東アジアに自生のサクラで、その中心は日本です。
欧米の自生種には、果実(チェリー)が成る木というイメージが強いようです。

花は春に開くのが一般的で、フユザクラ(冬桜)やジュウガツザクラ(十月桜)のように、秋から冬にかけて咲く品種もあります。
5枚の花びらをつける「一重咲き」という名前の咲き方をする品種が主流ですが、実際には花びらが5枚以上で咲いた「半八重咲き」や「八重咲き」、100枚以上の花びらがある「菊咲き」も見られます。

日本には、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、マメザクラ、ミヤマザクラ、タカネザクラ、チョウジザクラの9種類の基本野生種が自生しています。
沖縄や奄美地方に咲くカンヒザクラ(ヒカンザクラ)や、2018年(平成30年)に和歌山県で発見された新種のクマノザクラを含めて11種類とすることもあります。

サクラ(桜)の代名詞ともいえる有名な品種・ソメイヨシノ(染井吉野)が、基本種に選ばれていないのを疑問に持つ方も多いと思いますが、ソメイヨシノは江戸時代の末期に、エドヒガンとオオシマザクラの交配から生まれた園芸品種であり、もともと日本に自生していたわけではありません。

その栽培技術は、染井村(現在の東京都豊島区駒込付近)の植木職人たちが利用したことから全国に広まり、村の名にちなんでソメイヨシノという名称が生まれました。
ソメイヨシノに代表される、交配によるサクラの園芸品種は200種から600種もあるといわれています。

サクラとは?
日本の時代・文化史を彩る花

花にもさまざまありますが、「お花見」といえば、桜の花を見るのが日本に住む人の常識です。
「観桜会」とも呼ばれます。

さかのぼって奈良時代の「花宴(はなのえん)」では、その対象は中国から渡来した梅の花でした。
しかもそれを楽しんだのは貴族階級に限られました。
平安時代に入って遣唐使が廃止されると、国風文化と呼ばれる日本独自の文化が開花し、 貴族の関心も日本固有の花である桜に移っていきます。
紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」にも桜に関する描写が登場します。

歴史の表舞台に武士階級が台頭してくる鎌倉時代以降は、武士も桜を愛でるようになります。
この頃から始まる、城下町と桜の取り合わせは、今では日本を代表する春の風景となっています。

江戸時代には、お花見は江戸を中心とした庶民の文化として定着します。
川沿いの桜並木もよく見かける光景ですが、これは江戸幕府が、ある狙いがあって川の土手に桜の植樹を進めたことに由来します。
多くの人々がお花見に訪れることで土手が踏み固められ、川の氾濫を防ぐことができるという意味がありましたが、お花見の風習が当時の庶民の暮らしに定着していたからこその施策といえます。

明治期以降は、ソメイヨシノの作出もあり、サクラを楽しめる場所が日本全土に一気に広まりました。
「お花見」は、日本の文化の一つとして根付き、今やインバウンドで日本を訪れる海外の人々をも魅了しています。

サクラとは?
癒しを求め人々が集う桜の名所

「桜の名所」と呼ばれるスポットは全国に数知れません。
桜前線の北上という情報とともに、各地の桜の名所を映し出す映像を確認するのは春の習慣の一つであり、もはや風物詩といってもよいでしょう。
いずれも日本的な風情で私たちを楽しませてくれますが、ここでは特に「日本三大桜」と「日本三大桜の名所」をご紹介します。
お花見の桜にも多彩な表情があることを、確認しておきましょう。

日本三大桜

「日本三大桜」とは、特にその大きさと美しさで古くから名桜として誉れ高い3本の桜を称えたものです。
いずれも全国から多くの人々を惹きつける、日本を代表する桜の名木です。

福島県の三春滝桜

福島県三春町にある「三春滝桜(みはるたきざくら)」は、その咲き姿が大きな滝に例えられるベニシダレです。
樹齢は1000年を越えるとされています。
いっせいに咲く梅、桃、桜の花が三つの春を連れてくることから、「三春」と名づけられたというこの町のシンボル。
滝桜を含む「三春町のシダレザクラ」は、日本屈指の枝垂桜(シダレザクラ)の名所となっています。

山梨県の山高神代桜

山梨県北杜市にある「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」は、樹齢2000年ともいわれるエドヒガンの巨木です。
日蓮宗の実相寺(じっそうじ)というお寺の境内にあり、弱っていたこの木が日蓮聖人の祈りによって蘇ったと言い伝えられています。
ヤマトタケルノミコトが東方征討の折に植えたものという伝説もあり、「神代」の名の由来となっています。

岐阜県の根尾谷薄墨桜

岐阜県本巣市の「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみさくら)」は、その花色の変化に特徴があるエドヒガンです。
蕾(つぼみ)のときの淡いピンク色が、満開の頃には白に、散り際には薄墨色に変わります。
樹齢は1500年余とされる老木ですが、高さ16メートル、左右の枝張りは25メートルを超えるという堂々たる巨木です。

日本三大桜の名所

「日本三大桜の名所」は、満開の桜が絶景を成すお花見スポットとして古くから親しまれてきた、日本を代表する3つの名所を選んだものです。

青森県の弘前公園

青森県の城下町、弘前市にある弘前公園は、ソメイヨシノを中心にヤエザクラやシダレザクラなど、約50種・2600本もの桜が咲き誇る名園です。
ゴールデンウィークの期間中に「弘前さくらまつり」が行われ、200万人を越えるお花見客でにぎわいます。
園内にそびえる弘前城の天守閣は全国でも数少ない、江戸時代から遺る「現存天守」の一つ。
春の弘前城は、お城と桜という日本的な取り合わせの最も代表的な景観としておなじみです。

長野県の高遠城址公園

長野県の伊那市にある「高遠城址公園(たかとうじょうしこうえん)」には、県の固有種であるタカトオコヒガン(高遠小彼岸)約1500本が咲き誇ります。
ソメイヨシノに比べてやや小ぶりで赤みが強いその花の美しさは、「天下第一の桜」と称えられ、他所では見られないその花を一目見ようと全国からお花見客が集まります。

奈良県の吉野山

豊臣秀吉が盛大な花見を行ったことでも知られる吉野山(奈良県吉野町)も「日本三大桜の名所」の一つに数えられています。
満開の桜が埋め尽くす山容は「一目千本」と称される圧巻の絶景です。
群生する約3万本のシロヤマザクラ(白山桜)は4月上旬から咲き始め、麓からゆっくりと山頂へ「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と、順に開花を続けます。
修験道の霊場でもあり、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。

関連記事:桜の花言葉で知る、日本人の精神美と文化

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まとめ

日本人の精神には、ある意味「信仰」といってよいほどの、桜(サクラ)への深い想いが層を成しています。
法的な根拠はないにもかかわらず、桜が菊とともに国花(国の花)として広く認知されているのもうなずけます。

このページでは、日本の心の花「桜」について、樹木としての特徴とともに、歴史的な側面から日本独特の「お花見」の文化にも及んで解説しました。

代表的なお花見の名所をご紹介したのも、日本の原風景ともいえるこれらのスポットがいかに多くの人々の心をひきつけ、いかに広く全国各地で営まれているかを確認しておきたかったからです。

あなたの心の風景にも、ふるさとの桜の名所が描かれているに違いありません。

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